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Barraモデルの概要と計算方法

投資やリスク管理において重要な役割を果たすBarraモデルは、複数のファクターを用いてポートフォリオのリスクを評価し、リターンを予測するための強力なツールです。本記事では、Barraモデルの基本的な仕組みと、その実際の計算方法について簡単に解説します。

Barraモデルの概要

Barraモデルは、リスク管理および資産運用のためのマルチファクターモデルで、主にポートフォリオのリスクを評価し、リターンを予測するために使用されます。このモデルの特に特徴的な点は、使用するファクターを足したり引いたり場合によってカスタマイズが可能であることです。

実用の面でいうと投資家や金融機関がポートフォリオのリスク・リターン特性を評価し、適切なリスク調整を行うために使用されています。また、投資パフォーマンスをファクターレベルで分解し、何がパフォーマンスに寄与したかを明らかにするためのツールとしても役立ちます。

Barraモデルの計算方法

計算方法自体は割と単純で以下の式だけで表すことができます(どちらかというと大変なのはベータの取得だと思います)。

 R_i = \alpha + \sum_{k=1}^K \beta_{i,k} F_k + \epsilon_i

 
\begin{align*}
R_i &: \text{銘柄 i のリターン} \\
\alpha &: \text{銘柄の固有のリターン成分} \\
\beta_{i,k} &: \text{銘柄 i のファクター k に対するエクスポージャー(ベータ)} \\
F_k &: \text{ファクター k のリターン} \\
\epsilon_i &: \text{銘柄 i の固有リスク成分} \\
\end{align*}

CAPM, Fama-French 3ファクターモデルとの違い

式を見ていただくとわかるかもしれませんがCAPMとFama-French 3ファクターモデルの親戚のような式です。というのもBarraモデルはCAPMやFama-French 3ファクターモデルのようなファクターモデルを一般化したものだからです。Barraモデルをもとにすると、CAPMは市場リスクプレミアムのみをファクターとしたBarraモデル、Fama-French 3ファクターモデルは市場リスクプレミアム、サイズファクター、バリューファクターの3つをファクターとしたBarraモデルと考えることもできます。

ベータの計算方法

ベータを計算するためには以下の手順を踏みます。

  1. データの収集
    • 資産のリターンデータと、モデルで使用するファクターのリターンデータを収集します。これには、各ファクターの過去のリターンデータが含まれます。
  2. 回帰分析を行う
    • 資産のリターンをファクターリターンに対して回帰分析します。この際、資産のリターンを従属変数、各ファクターのリターンを独立変数として使用します。
  3. ベータの抽出
    • 回帰分析の結果から、各ファクターに対する回帰係数をベータとして抽出します。この回帰係数が、資産のリターンがファクターリターンに対してどれだけ敏感であるかを示します。

※ファクターリターンとは特定のファクターに紐づくリターンのことです。

ファクターのリターンデータはどう取得する

ベータの計算方法を読んでいて思うのは、ファクターのリターンってどう取得できるのって話ですが、一般には出回っていません。基本的には買うか自分で計算する必要があります。たまにラッキーで落ちているのを含め3通りの取得方法があります。

  • データプロバイダーの利用
    • データプロバイダーのAPIやデータベースにアクセスし、必要なファクターリターンデータをダウンロードします。(大体お金がかかります)
    • Bloomberg, MSCIなど
  • 公開データの利用
  • 自前でデータ収集
    • 市場データから自分でファクターリターンを計算することも一応可能です
    • この場合、一般に無料で出回ってる株価データやファンダメンタルデータを使用することができますが、計算方法についてはリサーチを行う必要があります。

Pythonでベータを計算する場合

ファクターのリターンが既知として、ベータの計算方法はFama-Frenchの場合と同様です。以下の記事でコードを載せているので、そちらを改変すれば計算ができるかと思います。

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最後に

この記事を通じて、Barraモデルの基本的な部分については理解いただけたと思います。この情報が、皆様の投資判断やリスク管理の向上に役立つことを願っています。

※ 計算についてはファクターリターン周りで壁があって試せていませんが、ファクターリターンの計算方法や取得方法など、その周辺で続報があればまた記事を書こうと思います。